同じ発音記号でも母音のオには2つの音がある
母音のオの音、同じ発音記号でも2つの種類の音がある、ってご存知ですか?
母音オー、発音記号では[ɔ:]と書きますが、この音がどう変化するのか、についてまとめていきたいと思います。
実はこの発音、私にとっても今まで??の部分がある音で、ちょっと苦手意識があったんですね。というのは、同じ発音記号でも言葉によってサウンドが微妙に違って聞こえて、なんとなく掴み所がないのかな〜と思っていたからです。
まさに私にとって、[ɔ:]はくせ者だったんです。
それがある日、Aha! 💡なるほど!と解明したんです。実はここにも発音記号からではわからない、ある法則のようなものがあるようです。
今回はそんな内容をぜひみなさんにシェアさせていただきたいと思います。
くせ者の[ɔ:]を含む言葉
まず、ここに[ɔ:]を含む単語をサンプルで並べてみますね。
straw | strɔː |
sauce | sɔːs |
pause | pɔːz |
storm | stɔːrm |
born | bɔːrn |
resource | ríːsɔːrs |
これらの単語、最初の母音は全て[ɔ:]と表示できます。
通常[ɔ:]の発音は、私のレッスンでは通称「縦オープンのオ」と呼んでいて、この口で発音するとサウンドはオとアの間ぐらいの音になります。
上記の単語で言うと、最初の3つはそんな発音です。
しかし後半の3つの音はそんな音では発音せず、日本語のオの音により近い音になるんです。
なぜ??
・・ここまでが今までの私の??を生み出していた部分でした。
みなさんは、なぜだかわかりますか??
上記の綴りや発音記号を見て、ピン💡と来ておられるあなた!かなり勘が鋭いお方です!
実はこの綴りにちょっとした法則が見えるんです。
[ɔ:]+rの法則
それでは、その法則をご紹介します。
後半の3つ、よりオに近い音になる発音になる単語は、[ɔ:]のあとにrが付いているんです。ということは、
[ɔ:]でもrにつながる音は、よりオに近い音になる、
ということが言えます。
というのも、R音では唇をウの口にする(パッカーとも呼ばれます)の口になるために、そのR音の影響を受けてその前の母音オがより口がすぼまった形になる、というわけです。
しかし文字だけですとなかなかわかりにくいと思いますので、解説動画を作りました。この動画で、これら2つの音の違いを一緒に作ってみてください。
サウンドに注目です!
より発音のサウンドを豊かに!ダイナミックに!
英語の母音って、ほんのちょっとのサウンドの違い、なんですよね〜。。しかしこのほんのちょっと、とは、私たちにとってだけ、なのかもしれません。
今回取り上げた母音”オー”の伸びる音、この他にも短い音=よりアの音に近いオや、オウの二重母音などがあるんですが、
発音記号は同じだけれども、変化する音の一つとして、[ɔ:]の音をご紹介しました。
というより、ネイティブの人はほとんど発音記号の読み方も知らないで話してると思いますし、サウンドが重視の言語なだけあって、知らないで、ものすごい数の発音を仕分けているんだと思うんですね。
サーモンの発音の記事でもご紹介しましたが、この母音一つでも違う音になっただけで言葉が通じない、ということが起こっちゃうわけですから、ほんとに私たちにはやっかいな言語です。。
しかし、その発音のバリエーションの豊富さが、英語のサウンドをより豊かに、よりダイナミックにしているので、そういう部分を取り込むためにもぜひ、私達の口も鍛えて、サウンド豊かな言葉、発音にしていけたらと思います。