歌でもそうなんですが、歌に限らず、実は発音でも、「喉周りに声を響かせる」というこが、響きを作っていく、という意味では大変重要なポイントです。

ここが響くようになると、声の響き、趣きがガラッと変わって、声自体がとても安定して聞こえてきますし、英語のサウンドもぐぐっとアップします。

この響きはコーラス、特にバックコーラスなんかでとても重宝します。メインのソロを邪魔することなく、しかしガッチリとバックを固め、なおかつソロとコーラスのバランスが取りやすいからです。

この喉周りをよくよく響かせて歌う声、私がよく使う「フー」(実際にはhoo…と表記してしまいますが、正しいかどうかはわかりません💦)の声もそうなんですが、クワイヤのメンバーから

「フーって真似して歌ってみるんですが、全然違うんですよ〜」

という声をちょくちょく聞くんですね。 このバックコーラスがうまくいかないのはなぜなんでしょうか?

今回はそんな内容を見ていきたいと思います。

日本語の「フー」とは違います

まず、フーと言っても、日本語のフーとはかなり響きが違います。なので譜面にも歌詞カードにも「フー」とも書けないんですよね。サウンド的には”hoo”なんです。

例えば、どなたか有名なミュージシャンやロックコンサートで、フー!!って高い声で掛け声かけることありませんか?その時に、日本語の「ふー!!」って言いますか?もっと喉の奥の方に音を響かせるようにして、声が遠くまで届くように力いっぱい出すんじゃないでしょうか?

日本語のフの音は、どちらかというと唇をすぼめて、その唇のあたりで息を振動させて出している音になりますよね。そして口の中も狭くなっているという状態で。。やはりこのフーでは、響きがかなり変わってきてしまいます、が、この日本語の感じでバックコーラスの時のフーも出しているのではないかな〜と予想します。

ここで私がよく使うhooを使ったコーラスの音声を聞いてみてください。

やはり、日本語のフー、ではないことがよくわかっていただけると思います。

ということで今回も、この問題を解決するために、発音からのアプローチで行きたいと思います!

コーラスのhooをかっこよく作ろう!

それでは実際、hooの音が出るように、以下の順を追って試してみてください。

①ホを言う時の口を作る

まずホを言う時の口を作ってください。実際に、ホ、ホ、と発音してみましょう。口が縦に開き、口の奥の方で空気が振動してホ、の音が出ているのがわかりますでしょうか?その響きをしっかりと覚えておいてください。

②唇のみを閉じ気味にした状態でフの口を作る

その口の形、特に口の中のスペースをキープするよう意識して、そのまま唇の開きを少し閉じ気味にします。その形のまま今度はフ、と言ってみてください、口の奥で空気の振動を感じながら発音してみましょう。

その口のまま、何度か勢いよくフッ、フッ、と繰り返して、空気の振動が口の奥の方にあることを確認してください。

その響きを使って、この単語を発音してみましょう。

hook

hood

hoodie

(日本語ではパーカーと呼ばれるフードの付いたスウェット)

hooray

(日本語のフレーのフレーズ)

③音を長めにして出してみる

その響きがつかめてきたら、その音を長めにして発音してみましょう。

hoo、hoo

実際の伸びている母音のサウンドはオとウの中間ぐらいになっている方が合ってます。なにしろ、口の先の方ではなく、口の奥の方で音が鳴っていれば正解です。

ここで、もし感覚がわからない場合は、何かのコンサートをイメージしてみてください。

コンサートで”かけ声”をあげる時、高い音でフー!って言いませんか?あの感じがまさに、H音の感覚です♫

④口の奥行きも意識して響かせる

歌にするときには、響きをさらに広げるべく、hooと言った時の口の形と同様、口の「奥行き」もぜひ意識してください。奥行きを広く広く使う、ということも、響きを豊かにする大きなポイントです。

H音、hooの出し方の動画解説

慣れるまで繰り返し練習していきましょう

こうしてみると、実に口の形や口の中のスペース、またどこに声を響かせるポイントがあるのか、で、だいぶ声の出方が違ってくるのがわかっていただけたと思います。

たぶん、ほとんどの方は口が結構閉じ気味で、口の中もとても狭い状態で出していると思います、しかし口の奥の方に声が響く関係で、やはり口の中のスペースを広く使うほうが断然出しやすいです。

こういった、普段使っていない口の使い方をする、というのは、慣れるまで時間がかかるものです。ぜひ何度も何度も繰り返し発音して、または歌を通して、ぜひ響きの豊かなhooが言えるように、かっこいいバックコーラスを作っていきましょう〜。