今回は実際に歌っている時の息の漏れをなるべく防いで、ロングトーンを歌えるような練習方法を見ていきましょう。
息漏れのクセ・・けっこう多いです
まず、結構クセで、知らないうちに息が漏れてしまう歌い方をしている方って少なくないんですね。そういう方はクセでやっていますから、いくら腹式呼吸をがんばっても、いつまでも同じ状態で歌うことになってしまいます。そこは自分で意識をして変えていかないと、改善しない部分です。
今回はこの問題について呼吸法ではなく、発音の方からアプローチしてみましょう。具体的で取り組みやすいと思います。
普段誰でも使っている声門閉鎖音
その発音はずばり、「声門閉鎖音」です。
この音は名前の通り、声門(声帯)をしっかり閉じた状態から声を出す、というものです。日本語の母音、あ、い、う、え、お、という音は全て、この声門閉鎖音から始まっています。
今ここで、ゆっくり言ってみてください。
「あ、い、う、え、お」
声門閉鎖音、という音、わかりますか?声帯が閉じている状態からの音、という意味がわかっていただけたでしょうか?
この発音、誰でも自然にやっていることですが、この音がほとんどの方が弱いんです。普段、意識して出すことがないからですね。しかし英語ではしっかり使いますので、この音を訓練する必要があるわけです。
この音を訓練で強くしていくことによって、息の漏れを防ぐことができ、母音の音、輪郭がはっきりしてきますよ。
声門閉鎖音トレーニング
トレーニングのやり方は簡単です。
1. 声帯をしっかり閉じた状態を作りましょう。最初は少し力がいるかもしれませんが、無理のない程度に閉じてください。
2.その閉じた声帯に、肺からの空気の圧を下からしっかりとかけるようにして(もっとわかりやすく言うと、おトイレでふんばっている、あの感じですね^^)、先程の あ、い、う、え、お、を一つずつゆっくり言ってみましょう。その時に、のどの奥から母音をしっかりと発音するように心がけてください。
3.声帯をしっかり閉じた状態からの音が出るようになったら、声を伸ばして出してみます。この時に音階を付けてもいいですね。
あー、あー、あー、あー、あー、
この時、自分の言いやすい母音でまず練習していくのがいいと思います。
最初はイージーに始めてください
「あ」で練習していたら、なるべく「あ」の音の輪郭がはっきりするように声門閉鎖音を意識して出しましょう。しかし力の入れすぎは禁物です、咳き込んでしまうほどの力は入れないでくださいね。
最初は強い音が出ないかもしれません、しかしこれも訓練なんです。筋トレだと思って、最初は”take it easy”で、緩やかに始めて、少しずつ付加をかけていきながら、声門閉鎖音を強くしていきましょう。
普段から歌詞を意識して歌いましょう
普段の歌でも、声門閉鎖音で始まる音って結構あるもんです、日本語でも英語でも。その歌詞をしっかりチェックして、声門閉鎖音を意識して発音しながら歌ってみてください。声の出方がぐぐっと変わってきますよ!
ぜひトライしていただいて、その感想などもコメントでお聞かせくださーい。