どんなに一生懸命歌っても、なんとなくのっぺりとした歌、なんとなく抑揚のない歌になってしまう・・・
でもどんな風に歌ったら良いのかわからない・・・
なんていうことはありませんか?
もしくは、リズム感がない、ということでお悩みの方もあるかもしれません。
とかく私達は、そういう気質なのか・・・音程どおりに、正しく歌おう、間違っちゃいけない!みたいな感覚に囚われていることが多いと思います。でもその方向で行くと、どこまでいってもゴールはありませんし、何しろ楽しくない!ですよね。
なのでここでいったん、どう歌うか、という歌い方から離れて、まずはその曲と一体になれるように、曲のリズムをからだで刻んで、曲そのものを楽しんでいきましょう。
どの音楽にもリズムがありますね。これはどんな楽器でも一緒です。リズムがあるから音が生きてきます。
そもそも、歌にリズムがあるかないか、これは大きな違いを生み出します。
以前に、歌の歌詞のリズムの捉え方、という話をまとめましたが、今回はもっと根本的な、「からだで感じるリズム」という視点でまとめていきたいと思います。
リズムはからだで感じるもの
歌の伴奏で刻まれているリズムに乗っかって、そのリズムの抑揚を感じながら、歌も自然とそのリズムにはまって、歌と伴奏とが一体となって音楽が奏でられている・・それが歌う時の醍醐味でもあります。
そのリズムって、どこで感じていると思いますか?
頭で考えて、出て来るのがリズムだと思いますか?
違いますよね、リズムはからだで感じ、からだで刻むものです。
歌っている時に、リズムを意識して歌うことってあまりないかもしれません、が、リズムがしっかりからだで刻まれて歌っているのと、そうでないのとでは、実は歌の安定感がかなり変わってきます。
これも筋肉と同様、やればやるほどからだで覚えていくものなので、ぜひこのリズムもからだに取り入れていきましょう。
音楽に合わせてリズムを刻む
リズムを具体的に体で感じていくために、こんなステップを踏んでみてください。
まず、何かご自分の好きな音楽でリズムを作っていきます。最初は軽いミドルテンポぐらいの、のりやすい、そしてリラックスできる曲を選びましょう。
①立っていても、座った状態でも構いません、その曲を聞きながら、まずはからだを左右に揺らしてみましょう。簡単ですね?すでにからだはリズムを感じて動いています。
そのリズムが一番ご自分が感じているリズム、ということになります。
②次に、今度はどちらか片方の足でリズムを刻みます。つまさきを上げて→下ろして、と音楽に合わせて、足でリズムを刻んで下さい。
この時に意識していただきたいのが、「足の裏でしっかりと地面を踏みつけている」のを感じることです。力はいりません、足裏で地面をぎゅーっと踏みつけ、自分の体重が地面に浸透していくのを感じるつもりで、しっかりと足踏みしてみましょう。
③それにも慣れてきたら、今度は両足で足踏みするようにリズムを刻みます。その時に、音楽から聞こえるリズムと、自分の足のステップがピッタリ一緒になるように意識してみて下さい。
音楽のリズムと自分の足できざんでいるステップとに、一体感が感じられるようになるまで続けます。
④両方の足で刻んでいても、どちらかの足にアクセントがありませんか?そのアクセントがあるほうが表拍、としたら、もう片方の足は裏拍を刻んでいる、という感覚になります。その感覚を感じ取っていきましょう。
⑤足でリズムを安定して刻めるようになったら、そのリズムをキープしたままメロディーに合わせて歌ってみてください。鼻歌でもいいですし、実際に歌えれば、それに越したことはありません。
自分の刻んでいるリズムに歌が乗っかる、という感覚をぜひ感じとれるようにしてみましょう。
リズムを点でとらえず、線でとらえる
これは私の個人的な感覚かもしれませんが、リズムとは点でとらえるものではなく、線で捉える感じがあるのです。
一つのリズムの点から次の点までは途切れておらずつながっている、そんな感覚を持つことで、安定したリズム、機械的なものではない自然なリズム、につながっていくのかな、と思います。
最初は大まかなリズムで構いません。体で感じるリズムと、聞いている音楽とが一体になることがまず第一歩です。
ここから少しずつ細かいリズムを付けて、さらにリズムを立体的に感じられるようにしていきましょう。
次は体でバウンスをして作る「ビート」について取り上げていきます。