どの音楽にも必ず、リズムがありますね。これはどんな楽器でも一緒です。リズムがあるから音が生きてきます。

同様に、歌にリズムがあるかないか、これは大きな違いを生み出します。

特に英語の歌にはリズムがありますね〜、話している言葉を聞いていても抑揚があって、感情表現が豊かな気がします。かたや日本語ですと、やはり全てが一本調子、感情表現はあるものの、言葉自体は全てイーブンな印象があります。

例えば、

Good morning! と、おはようございます!

どちらも朝の挨拶の言葉ですが・・・サウンドで見てみると、

Good morning!→グッドモーニング ではなく グッモー(ニン)と聴こえ、

おはようございます!は、おはようございます!に聴こえます。

こんな短いフレーズでも英語には言葉自体にリズムがあることがわかっていただけると思います。

英語の歌を歌っても、なぜか印象がぜんぜん違う・・・という原因は、こんなことも含まれていると思いますね。

単語にあるリズム

これはその言葉自体の性質によるところが大きいです。

日本語は一つ一つに母音があるので、最初から最後までかっちり発音します。もちろん、普段遣いではそうでない場合もありますが、基本的には、しっかりと発音した場合は、母音は全ての文字一つ一つにつきますね。

それでも、日本語にもどこにアクセントをおくか・・・例えば「橋」なのか、「箸」なのか、で、微妙に言葉のイントネーションが変わりますから、そういうところは英語と似ている部分はあると思います、・・・が、やはり一つ一つの文字に母音がある、という部分においては英語とは大きく違うのかな〜と思います。

かたや英語の場合には、子音のみで母音がつかない、ということも、ままありますよね。ここが日本人の苦手とするところの一つ、と言ってもいいかもしれません。

プラス、一つの単語の中のどこかにアクセント(=強調される音節)があるので、アクセントのある音節は強くなる反面、その他は弱く発音する(極端に弱くなって聞こえない、ということもたびたび起こります)ことから、一つ一つの単語自体にリズムが付いている、ようなものなのです。ここを日本語の調子でやってしまって、一本調子の英語になってしまう、ということもよくある現象ですね。

フレーズや話し言葉にあるリズム

英語は単語自体にあるリズムと、単語同士がつながったフレーズや話し言葉にもリズムがあります。これをイントネーションと呼ぶわけですが、やはり言いたい部分は強く、それ以外は弱く、というリズムが自然に生まれています。

先程の、Good morning!も、最初のグッ、よりはモーの方が強く発音され、調子も上がります、そして最後のニンは弱く、調子も下がっています。

そしてさらに、最初のグッ、は口の奥の方で発っしている音ですが、モーr は前に流れて、最後のニンは、そこから引っ込んで来る、そんな感じもあります。

(あ〜、言葉で説明するとややこしい〜〜!!💦)

実際の会話では、ただ、モーrnン みたいな感じで聞こえることすらあります。

かたや、日本語のおはようございます!はどうでしょう?

タタタタタタタタター、と、全てが前に、イーブンに出る感じ、しませんか?

こんなことが、普段の話し言葉で、常に行われているのですから、普段日本語しか話さない私達が英語を話そうと思っても、全てがなんとなく日本語のサウンドになってしまうのは致し方ないことなんですよね。

歌詞のリズムを作っていこう

それでは実際に、歌にした時にリズムが出てくるように、こんな流れで歌詞を確認してみてください。

①まずは単語のアクセントでリズムを作ろう

歌にした時の英語に関してまとめていきますが、

まずは英語の歌詞を読んで、それぞれの言葉のアクセントがどこにあるのかを確認してみましょう。すでに知っている言葉はいいと思いますが、特に知らない単語、発音のわからない単語を調べるといいでしょう。

それは辞書で調べると出てくる発音記号であったり、今ではネットで単語を調べると、単語の意味だけではなく音声付きで発音が聞けるようになってますよね。そういったツールを使ってわからない部分をクリアにしながら、実際にご自分の口でもアクセントがある部分は強く、その他は弱く、といった言葉のリズムを作っていきましょう。この場合、大げさに発音するぐらいで丁度いいですよ。

②フレーズでイントネーションを作る(チャンク音読)

次にフレーズでイントネーションを作っていくわけですが、ここでACE&Musicの発音レッスンでもおこなっている「チャンク音読」というのをお勧めします。

チャンク、というのは、説明すると長いので端折りますが、文章をいくつかのカタマリに区切って捉えることを言います。

歌の場合は、その歌を歌った時に息継ぎが入る場所がありますね、そこで区切って、その区切りが入るまでのいくつかの単語をカタマリ=チャンクとして捉えていきます。そのカタマリごとに単語同士をつなげるようにして読んでいきます。

その時に①で調べた単語のアクセントや、歌で強調されている単語やフレーズ、逆に強調されていない単語やフレーズ部分、というのを音読の状態でもしっかり作って読むようにしていきましょう。

③歌に合わせて音読(リズム音読)

チャンク毎につながるように読めるようになったら、歌の元曲を聞きながら、歌詞にリズムを付けて、歌のリズムで音読していきます。チャンクごとのつながりが途切れないようにしつつ、リズムを付けて読んでいきましょう。(私はこれを「リズム音読」と呼んでいます)

その後、実際にメロディーを付けて歌う、という、この音読の段階を踏むことによって、さらに原曲に近い、英語サウンドを作っていくことができると思います。

英語のリズムはまず音読で掴むことから

このように、英語の歌には

①単語そのものにあるリズム

②いくつかの単語で成り立っているフレーズにあるリズム

③歌や曲、そのもののリズム

とリズム的要素がたくさん含まれているので、あのようなリズミカルな歌になるわけですね。そのリズムをしっかりと捉えていくためにも、このチャンク音読、そしてリズム音読、という段階をぜひ、普段のご自分の英語の歌に取り入れてみてください。