読者さんのお悩みシリーズ、今回は「持久力がない」という声をいただきましたので、この問題を一緒に考えていきましょう。

歌の持久力は歌でつける!

ここでおっしゃっている持久力とは、歌うための持久力、ということでしょうね。私も持久力、というか、体力をつけるために、一番手軽にできるジョギングするようにしていますが(最近ずっとサボっております)、

歌う時の持久力とはやはり、運動の際の持久力、とはまた違うんですよね。何が、ということは言えないのですが、歌う持久力は歌うことでしか付けられない、と私は考えています。

例えば月に2回、ゴスペルグループのリハーサルがあったとすると、月2回程度しか歌わない、のだとしたら歌の持久力をつけることは難しいですよね。月2回、1回につき1時間とか2時間、だとすると、月にせいぜい2時間〜4時間と考えても、やはりちょっと少ない感じがします。それにたまに歌うとなると歌った後の疲れ具合がきっと大きいので、また次を迎える時に精神的にも少ししんどくなってしまいますよね。

今の状況の中で楽しく持久力を付けていくために

歌う回数を増やせれば、それに越したことはありません。なので、歌う機会があればどんどん積極的に参加されればいいと思います。

とは言っても、なかなか自分だけではとっかかりがないと難しいかもしれませんね。なので、今ある状況でなんとか持久力を養っていき、機会があればどんどん歌う回数を増やしていくようにしていきましょう。 何事も楽しくないと続かないので、楽しい中で少しずつ負荷をかけていく、これが継続のポイントですね。

自分の歌に負荷をかけていく方法

私がおすすめするのは、歌を歌う際に自分に少しずつ負荷をかけていく、ということです。

1.準備運動を怠らない。

まずは、負荷をかけても喉を痛めることがないように、事前のストレッチやリップロールでしっかりと体と喉を温め、準備する!これ、何度も言いますが、大事です。

2.歌う際に1曲1曲、しっかりと喉と体、腹筋を使って声を出す。

いつもの1.5倍の声量を使うつもりで1曲を歌ってください。

また以前の記事「肺活量が足りない」でも紹介したように、息が苦しくなったら肋間筋を使って最後まで息を使い切れるように歌ってみてください。最後の一息までしっかりと使い切りましょう。これを繰り返すことで肺活量も増えていきますよ。

3.歌う際に歌詞の母音をしっかり出すように心がける。

結構ここに体力使います。自分では出しているようで結構出ていないのが母音なのです。母音の輪郭をはっきりと出し、かつ、音の最後まで伸ばし切る、このように意識して歌うと、1曲歌うだけですごく疲れますよ。

4.歌にあえて息を少し混ぜて力強く歌う。

これはちょっと上級者向けですが、少し空気を混ぜて歌うことによって、力強く歌っても一人の声だけ飛び出ることもないし、息をいっそう使うので肺活量もさらに必要になり、大変に疲れる歌い方ですが、持久力はつきますよ〜。

劇団四季の主役に見るトレーニング法

以前、ちらっとテレビで見た覚えがあるのですが、劇団四季の主役をやる方が、そのトレーニングで、ランニングマシンで走りながら、劇の中で歌う曲を母音だけで歌っていました。

例えば、ですが、

「♫さーくーら〜 さーくーら〜」


のメロディーだったら、

「♫あーうーあ〜 あーうーあ〜」

と歌う感じです。
これを走りながら声も全然ブレず、にっこにこで見事に歌っていらっしゃいました(表情も大事ですもんね)。私もそれを見て、すごいな〜と感心したのを覚えています。 こういったトレーニング方法もあるんですね。

まあ、ここまでやるのはプロ中のプロの粋なので、そこまで必要ないと思いますが、母音がぶれないように歌う訓練がいかに大事か、ということですよね。

母音がぶれないように、音の輪郭がフレーズの最後まではっきり出るように、腹筋と肺活量をしっかり使って歌うようにしてみてください。

歌の持久力は歌でつける!を覚えておきましょう。