歌うと喉が痛くなる、高音が出しにくい、声が枯れる、声がこもって伸びない、など、普通に話している状態ではあまり感じることのない声の問題が、歌になると突如いろいろと出てきますね。
そういった問題を解決するためにボーカルトレーニングなど受けたりしたものの、その時は効果を感じるけれども忘れてしまう、とか、自分で歌う時にはまたもとに戻っている気がする・・・そんな風に感じる方は少なくないと思います。みなさんはいかがでしょうか?
そもそも、声というのは、どのように作られているのかご存知ですか?
今回はまず、この喉からどのように声が生まれるか、その構造を見ていきたいと思います。
声帯から声が生まれる構造
喉や声帯はすべて筋肉や粘膜でできています。それこそありとあらゆる筋肉が精密に、細かく連動して、声というのはできています。
声帯の長さは、成人女子で 1.1~1.5cm、成人男子で 1.7~2.1cmだそうですが、声帯とは筋肉と粘膜との二重構造になっていて、この粘膜の部分が肺からの空気による力で振動して音が生まれます。 その振動する部分が短い/長い、で、音が高い/低い、が生まれるわけですね。
ギターの弦を思い出してください。ギターの弦をボディの近く、弦を弾く部分に近いところを抑えると高い音が出て、逆に離れた場所を抑えると低い音が出ますね。
ピアノも一緒です。ピアノも高音の鍵盤になればなるほど弦は短く細いですし、逆に低音になればなるほど弦は長く太くなります。
足湯さんによる写真ACからの写真それを声帯が同じことをしているわけです。
・・・って、淡々と言ってますが、これってすごいと思いませんか?
もう少し詳しく見ていきましょう。
ラの音を出すのに440回/1秒も振動しています
一般にチューニングの基音として使われる中音域のラの音、こちらは440ヘルツなのですが、これは、1秒間の音の波=周波数、が440回あることでこの音のピッチが生まれいる、という意味になります。ということは、人も同じで、ラの音を出している時には、声帯を1秒間に440回振動させて出しているんです。
この震わせる声帯の長さを調整して音階が生まれます。震わせる部分を短く薄くしてさらに早く震わせることができて、高音が生まれます。逆に震わせる長さを長く厚くすればするほど震える幅が遅くなり低音が出る、という構造です。これをさまざまな筋肉が連動して、呼吸を使って出しているわけですから、本当に人間の持っている機能というか構造とはすごいと思いますよね!
そしてみんながみんな、同じ器官を持っているにも関わらず、一人ひとり声、声色はしっかり違いがあるわけです、それは一人ひとりの喉や声帯の形、声の響いている他の器官の形の微妙な違いがそうしているんですよね。
それぐらい私達の持っている喉、声帯、という器官が精密なものであること、替えがきかないこと、この世で唯一無二の存在であることを、まず知っておいていただきたいと思います。
ギターやピアノは弦が古くなったり切れたりしたら取り替えればいいですが、声はそうは行きません、替えがきかないんです。一生モノの付き合いになります。ですので、ぜひぜひ大切に使ってあげて下さいね。
では次回の記事では、声のトラブルを防ぐ解決策について見ていきたいと思います。