さて今回は、「カスカスで出ない声でも、出るようになるか?」というお話です。

今回(2019年冬)の日本での滞在時、かなりたくさんの方の個人レッスンを行わせていただきました。本当に感謝でした!

その中で、時期的なこともあり「風邪の病み上がりで、声がぜんぜん出ないんです〜💦」という方が結構いらっしゃいました。風邪でなくても、しゃべりすぎで声が出ない(半分あきらめ・・・)、という方もいらっしゃいました。

が、そんな方でも1時間のレッスンで、最後には驚くほどの声が出るようになったんですね。なので、エクササイズ次第ではかすれ声でも出るようになる!今回はそんな内容を、発音からのアプローチでより具体的にできるようにまとめました。

声帯がうまく振動できない状態です

風邪をひいてしまったり、もしくはしゃべりすぎで声が出ない、という状況、実は声帯が腫れていて、うまく振動ができずに声が出ない、という状況です。

そんな時は決して無理をせず、うがいをまめにする、マスクをする、など、喉をなるべくいたわりましょうね。

こんぶ水がオススメです!この項はまたいつか別の記事でご紹介したいと思います。

しかし、それでもしゃべらなければいけない、歌わなければいけない、という状況はあるもんです。

しかし、ピンチはチャンス!そんな時になんとか喉に負担をかけずに声が出せるよう、こんな方法を試してみてください。

実践!発声エクササイズのやり方

それでは実際に、どんな風にやっていけばいいのか、順を追って説明します。

1:上半身、特に首周りのストレッチ

声がうまく出ない時とは、往々にして首周りや胸、肩、背中がガチガチに固まっていることが多いです。歌で使う筋肉が凝り固まっていると出る声もうまく出ません。

まずは上半身、特に首周り、肩、胸、背中の筋肉をストレッチして、リラックスしておきましょう。

2:リップロールで喉のウォーミングアップ!!

そして喉のウォーミングアップ、リップロールを丹念に!

リップロールをご存じない方はこちらで説明しています。

3:発音からのアプローチでヘッドボイスを導く

喉もしっかりと温まったところで、では実際に声を出していきましょう。まずは、発音のアプローチでヘッドボイスをしっかり温めていきます。

・Nの発音

N音とは、舌先を前歯の裏と歯茎の境目ぐらいにベターッと付けて、鼻からンーと抜けるような音を出す、これがNの音なのですね。

その音を使って、鼻から抜ける音を先に出してからの〜、nnnnナァー、nnnnナァー、と口からの声につなげます。これを音階を付けて最初はゆっくり、ナナナナナ〜と出しやすいところから出していきます。

・Mの発音

M音とは、唇をしっかり閉じて、同じように鼻からンーと抜けるような音を出す、これがMの音なのです。

N音と同じように、Mの発音からmmmmマァー、mmmmマァー、と口からの声につなげます。慣れてきたら音階を付けて、ママママ〜と出しやすい音域から出していきます。

4:Hの発音で息の力を使う

今度は少し高い音域を出していけるように、逆に裏声の状態で声を出します。そのために使う発音はH音。実はこのH音は日本語のハヒフヘホとは違い、ハッ、ハッ、と勢いよく出した時の、口の奥の方でその息によって振動している音、これがH音なのですね。

このH音で声帯に負担をかけないようにしながら、息の勢いで母音を喉の奥からしっかりと響かせていきましょう。

H音をまず確認したら、少し高い音域で音階を付けながら、ご自分の出しやすい音、フー、ヒー、ホーなど言いやすい、H音が出しやすい母音から初めて、最終的にはハーのアの母音で出せるようにしていきます。

この前にやっているN音やM音でヘッドボイスが響いて温まっている状態ですので、H音でもヘッドボイスを意識して、母音の伸びている音が下向きに落っこちないように、顔の中心、もしくはもっと上、おでこあたりから上に向かって出ているようなイメージで発声してみましょう。驚くほど楽に、声が前に伸びるのを感じるはずです。

5:メロディーを簡単な音で歌っていく

これで大体の音域が出るようになったので、ここで歌のメロディーを使って、ナナナナナー、とか、マママママーなど、少しヘッドボイスを意識しながら歌ってみます。

そして最終的には歌詞をつけて歌う、という流れです。

ピンチはチャンス!

ここまでやって、だいたい1時間ほどで声が出てくるようになりますよ。この方法は今回しっかりと結果が出たので、どなたでも有効だと思います!

ぜひ普段からしゃべる時、また歌う時に、なるべくヘッドボイスを意識しながら話し、または歌ってください。喉への負担がぐぐっと減ります。

実はこのアプローチ、私が以前、ゴスペル指導を現役でやっていた時、毎日喉を酷使しながら、声がカスカスで出ない・・・でも歌わなければいけない・・・というところから、叩き上げで編み出した発声法が土台になってます。

なんとか出ない声を出せるように、なおかつ喉に負担をかけないように、自分の喉を守るために行ってきた方法を、より具体的にわかりやすくするために、発音からのアプローチで着実にできる方法です。

私がそうだったように、今回声が思うように出ない、という辛い中でも個人レッスンを受けてくださった方々は、逆を言えば、その状況にならなければこの方法を試すことができなかったし、出ない声が出るようになる!という経験もできなかったのですから、実はラッキーな方々だったのですよ!

ピンチは飛躍のチャンス!ぜひこんな方法を試してみてください。


〜カタカナ英語から卒業する!〜

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